公募案内

現在H26-27年度の2年間の公募研究が文部科学省より募集されています。 公募期間は平成25年11月8日(金曜日)までですが、各研究機関・部局などの締め切りにご注意ください。

本領域は、原生生物などの真核生物におけるオルガネラ(細胞内小器官)の特殊な進化の様態を明らかにするとともに、内部共生(Endosymbiosis)・寄生という生活様式が真核生物にもたらす生物進化の分子機構を解明することを目指す研究領域です。少々ややこしい言い方ですが、要は、寄生・共生という特殊な生活様式をもつ生物学のすべてを含みます。是非、皆様の研究内容にオルガネラの特殊機能と寄生・進化のエッセンスを加えて、良い研究提案をお送りください。多くの優れた研究提案をお待ちしています。

寄生虫学・原虫学・細菌学・藻類学・感染症学・生態学・進化学など幅広いバックグラウンドから広く優れた研究提案を期待しています。 ご不明な点があれば、nozaki@nih.go.jpまでメールでお問い合わせください。

以下に、応募要項に記載の研究概要を示します。

27 マトリョーシカ型進化原理

領域略称名:マトリョーシカ
領域番号:3308
設定期間:平成23年度〜平成27年度
領域代表者:野崎 智義
所属機関:国立感染症研究所

本領域は、内部共生によるオルガネラの成立と真核生物の進化、及び共生(寄生)体-宿主間相互支配の分子機構の解明を目的とし ている。このため、下記の研究項目について、「計画研究」により重点的に研究を推進するとともに、これらに関連する2年間の 研究を公募する。1年間の研究は公募の対象としない。また、研究分担者を置くことはできない。

公募研究の採択目安件数は、単年度当たりの応募額500万円を上限とする研究を10件程度、250万円を上限とする研究を10件程度予定している。

研究項目A01では、異種生物間の様々な共生・寄生様態を解明する研究を対象とし、自然環境中や生物内の細胞間・細胞内共生現 象の初期状態の探索を目指すメタゲノム・EST解析、共生体間(及びオルガネラ宿主間)の代謝相互作用の解明を目指すメタボロミ クス解析、共生・寄生体の宿主侵入など細胞内共生の成立・破綻の分子機構解析などの研究を含む。研究項目B01では、内部共生に より成立したオルガネラの機能進化、オルガネラ―宿主間の遺伝子移動・物質輸送など、ミトコンドリア・色素体等共生に由来す るオルガネラの成立・進化に関する研究を対象とする。オルガネラが関連する疾病の病態の解明や創薬研究等の提案も歓迎する。 更に、メタゲノムなどのビッグデータからのデータ抽出、細胞内局在シグナルの予測、オルガネラ局在タンパク質の予測などのバ イオインフォマティクス解析も含まれる。研究項目C01では、共生・寄生体、オルガネラによる宿主改変・支配の機構を解明する研 究を対象とする。天然に存在しない新たな共生関係を細胞工学技術により人為的導入する細胞機能改変や、オルガネラへの新規機 能賦与、オルガネラの種間交換の技術開発等を歓迎する。またオルガネラ病治療へ繋がるオルガネラ修復等も対象となる。更に、 ウイルス感染による宿主改変やエクソソームによる生物間の通信や改変も含まれる。

なお、研究内容の詳細については、領域ホームページ(http://www.matryoshka-evolution.jp/)を参照すること。

(研究項目)
A01 オルガネラ創成に至る共生・寄生機構の解明
B01 共生オルガネラの維持機構の解明
C01 オルガネラによる宿主支配、オルガネラ改変

(平成 24 年度公募研究 平均配分額 3,367 千円 最高配分額 4,500 千円)